擬態
はじめてのMr.Children
長野M-WAVEでのコンサートに行ってきた。

Mr.Childrenがいちばん流行っていた頃には既に大人だったし、
そもそも邦楽は今まであんまり聴かなかった。
だけど、子供がMr.Childrenを好きになり、嫁が桜井和寿を好きになり、
私も前作のアルバム「Super Market Fantasy」を一緒に聞いた。

これはなかなかPOPなアルバムで「少年」がNHKで「バッテリーの主題歌だったり、
HANABIだとかエソラだとか楽しい曲が多く、とても好きなアルバムだった。

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しかし最新アルバムの「SENSE」は
好きな曲もあるが、どちらかと言えば取っ付きにくいアルバムという印象を持っていた。

だけどこのライブを見てびっくりした。
Mr.Childrenそのものに対する私の見方が変わった。
ロックスターってすごいな。
2万人を瞬間で掌握し手なずける
だけど、奢りは一切無く純粋なメッセージを歌声に乗せて
観衆にのもとに届ける。

この震災後の混乱した社会の中で、みんな平静を装うことに必死だけど、
心の中のダメージは計り知れないと思う。
そんな一人一人の心のなかにそっと囁きかけるように、
Mr.Childrenのサウンドは優しく、そして時に激しく。

震災後、巷では予言者と名乗る人物が沢山現れている、
神様と交信しているかのように語り不安を煽り売名行為を繰り返す人や、
純粋にスピリチャルなメッセージを発信しているように見える人もいる。
様々な人がいて、真実は判らないけど、

Mr.Childrenはロックスターとして
「神」よりももっと大きな物からのメッセージを我々に届ける。
それは「愛」だとか「希望」だとか、甘い言葉でコーティングされた
キャンディーみたいな物だけど
それを受け取った一人一人が、甘いキャンディーを口に入れて
一人一人がそのメッセージを吸収し、
再び自分のメッセージを拡散していけばいい。

そんな一人一人のメッセージが沢山集まって、
家族や町や国家や人類や宇宙にける全ての生命体や物質や
そういった物が出来上がってくる。
そんな気がする。



"アスファルトを飛び跳ねる
トビウオに擬態して
血を流し それでも遠く伸びて
必然を 偶然を
すべて自分のもんにできたなら
現在を越えて行けるのに
"

「擬態」Mr.Children
アルバム「SENSE」より