一番大切なことって、いつも一番最初に忘れてしまう。
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藤沢で会社を始めてから丸9年になります。
来年の1月で10周年です。(なにかイベントやりたいですね!)

その間、何故拠点が東京や横浜でなく藤沢だったのか?
たくさん聞かれもしましたし、自分達の中でも考えてきました。

一番わかりやすいのは、私が藤沢出身だからということですが、
これは実は正解ではなくて、20代は藤沢を離れて東京で働いていました。
その間、特に藤沢の事を思っていたわけでもありません。
何故戻って来たかというのもわかりやすくて、
子供が生まれて、よりたくさんの時間をいっしょに過ごしたかったからです。
(実際、子供が五歳になるまではフリーランスで気ままに仕事をしていました。)
しかし、それも実は大義名分で、本当の理由って何なんだろう?

「鵠沼海岸には海があり、風が吹き、強い光が射している。」

やっぱり何だそんなことか、とお思いでしょうが、その通りでもあり
そんなことが常々忘れがちになってしまうことに、ふと気がつきました。

松村さん突然どうしたの・・・?

って言われちゃいそうですが・・・
昨日、小田原に嫁の送り迎えをする合間の時間、箱根湯本の日帰り温泉に浸かって来ました。
最近(ブログも書けないくらい・・・)死ぬほど体も心も忙しくて、へとへとになっていたので、山の中で熱いお湯にゆっくり浸かってボ〜〜っとしたいなって思ったのです。

夕闇の箱根湯本の温泉は川のせせらぎや、木々の匂いがしてとても心が安らぎました。
だけど安らいだとはいえ、お湯につかっていても仕事の事がなかなか頭から離れません。
来週以降の仕事の進め方や、週末にやっておかなければ行けない事、
その他もろもろ・・・が頭の中をぐるぐると回転しています。

確かに温泉で体は癒されているけど、心は仕事のまっただ中。
となりで騒いでいる若いグループの声にも過敏になりイライラしています。

しかしそんな時に、ふと空を見上げると、なんと降るほどの満天の星空。
これは宇宙からのメッセージだったのでしょうか?
気温0度の露天風呂で、温泉や木々の匂いをかぎながら、
全裸の私の全ての感覚は43度の熱い温泉に刺激され、
一切の固執から開放されて宇宙を漂います。

ああ、よかったね。松村さん温泉気持ちよかったんだ。

とお思いでしょうが、その通りです。
気持ちがよくて、全ての「感性」がオープンになり、
仕事の事など頭の中からすっかりいなくなってしまいました。

いいえ、いなくなったわけではなくて、
自分が本来持っている「感性」が姿を現し、
あるべきものが、あるべき所へ収まる様が明確に見えて来ます。

一番大切なことって、いつも一番最初に忘れてしまう。

仕事でも、生活でも「感性」は全てにおいて優先されるべきものだと思っています。
そしてそれは、すべての営みにおいての拠り所でもあります。
仕事の中においては、顧客満足や技術や先進性も大事ですが「感性」が無ければ、
全てが成りたちません。

私たちがなぜ藤沢で鵠沼海岸を拠点に仕事を続けているのか、
実は、答えはそんな所にあるのだと思いました。

強い陽射しを浴びて、風の匂いを嗅いで、広い波打ち際を歩いて、
そんなそんな環境がここにはあって、そんな一つ一つの現象を私たちの「感性」が感じ取る。
それでそこからもたらされることが、私たちが提供出来る仕事の価値の全て。
なのではないか?

見て、聞いて、匂いを嗅いで、実際に触って、感じて・・・。

そんな環境は今ここにはある。
その場所が今はたまたま地元の鵠沼海岸だけど、
それは長野の山奥でも、北海道の平原でも
自分の感性が求めた場所で、感性を拠り所に、何かを作り続ける。

そんな風にシンプルに、これからも、仕事を、会社を続けて行ければ
幸せだなと考えました。

温泉の中で...。