愛する屋上
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映画を撮るならファーストシーンはこの屋上。

<シーン1>
梅雨明けの初日、短波ラジオのチューニングをする妹
朝食のパンを口にくわえて、身支度をする兄。ジャケットを羽織る。
「南大東島1056ミリバール、八丈島1038ミリバール・・・・」
ラジオに代わって妹が天気図を読み上げる。

真夏の最初の一日。愛する屋上で、未完の大作に想いを馳せる。

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<シーン2>
水道で歯を磨いて水を飲む兄。
壁に寄りかかって天気図を読み上げる妹。
「室戸岬1020ミリバール、御前崎1018ミリバール・・・・」

<ストーリー>
兄は自らの偏向的で固執的な性格から抜け出すために、
ネットやゲームのバーチャルな恋愛から抜け出し
勇気を振り絞って学校で一番人気の「彼女」にデートを申し込み
(何かの間違いで)それが実現してしまう。

妹は小さい頃から兄の偏向的な正確を心配し
保護者のように兄に接する

「彼女」は自分とのたったひとつの共通項から兄からの誘いに応じ
デートに出かけて行く事にする。
そのたったひとつの共通項とは・・

そんな日曜日の話「Sunday」と名づけよう。
テーマ曲はNicoの「Sunday Morning」

そんな日曜日のデートは、
モノレールに乗って横浜の動物園やマリンタワーへ行くが
最初から全く噛み合ない。何もかもが・・
そして、それを見透かしたかのように
遠いこの屋上から、妹が兄を(空想で)コントロールする。
ゲームの「彼女」ようには会話してくれない「彼女」
「彼女」という偶像と、自分自身の間でさまよう「彼女」
そして妹にコントロールされてしまう兄
徹底的にすれ違い、道に迷い結果的にはぐれてしまう。

そんなストーリー。
この屋上で映画を撮りたい。
子供が高校生になったら、子供の友達でキャスティングできるなと密かに思う。
構想25年。まだまだ構想中。